社員や弊社の翻訳者や通訳者に、インターンがインタビューするコーナーとなります!
今回2回目となるインタビューシリーズは翻訳・通訳者さんのMさんにインタビューさせていただきました。
Q1. 翻訳や通訳の仕事を選んだ理由は何ですか?興味を持ったきっかけや経験について教えてください。
私の前職は製薬企業でした。当時、私は女性として家庭の役割を果たすという思いを持ちながらも、仕事を続けたいという強い意欲も捨てることはできませんでした。ある時、家族全員で、米国で一年半くらい生活をする機会が訪れました。せっかくの機会でしたので、最初は、帰国したとき英語検定2級(あわよくば準1級)に合格するという目標で英語の勉強を始めました。しかしその後、やめるチョイスが思い浮かばず、TOEIC、通訳案内士資格、国連英検と続いていくこととなります。さらに翻訳の勉強にも取り組むようになりました。最初は主に翻訳の仕事をいただいていましたが、心の中にはずっと憧れていた通訳の興奮と緊張感を経験したいという思いがありました。
そして2001年に、初めて通訳と名前のついた仕事をJICEで経験させていただく機会を得ました。正式に通訳のトレーニングを受けていなかったため、自分を「なんちゃって通訳」と称していました(笑)。この初めての経験を通じて、もっと専門的に学びたいと思い始めました。しかし、なかなか自分の通訳で収入を得られるまでになることは不可能だと思い、方向性を変え、英語学修士を目指してまずは大学院に進むことに決めました。修士号取得後、さらに研究を続けたいと思いましたが、優秀な周りの研究者の方々を見ていると、自分は別の道を探すほうが良いとの結論になりました。
大学で多くの専門的な知識を得た後、「では、どうしようか?」と自問自答した結果、最初に憧れた通訳者を目指して、都会の通訳学校に通う決心をし、今に至っております。現在は、製薬、IR、IT等の分野を自分の強みにできるよう、研鑽を積んでいます。
Q2. 翻訳や通訳の業務において最も重要だと考えるスキルや資質は何ですか?それらを向上させるために努力していることはありますか?
私が特に重要だと考える事は、熱意を持ち続けること、地道に努力し続けること、集中力を保つこと、そして話者が伝えようとしている本質を把握し、それに沿った通訳をすることです。最初の二つは、何とか頑張っておりますが、最後のスキルのゴールは、まだまだ遠くにあるようです。自身のスキルや知識の向上に努めることで、少しでもクライアント様の期待に応えられるよう、この長距離走を頑張っていきたいと思います。
Q3. 仕事をする上でのチャレンジや困難な点は何ですか?それらを乗り越えるために取り組んでいる方法や工夫はありますか?
困難な点として、先ほども触れましたが、本筋を把握し、それに沿った通訳をするという課題があります。聴いてくださっている方々に少しでもわかりやすい通訳を提供するためにと、それを意識して臨んでおりますが、こちらもゴールは遠くにあります。その鍵は、リテンション能力向上だと思っておりますが、この点も含め通訳パートナーの方々からいつも学ばせていただいております。
歩みは遅いですが、諦めず取組続けていれば、少しずつでも改善できると信じて精神を持って取り組んでおります。苦労や失敗は多いですが、少しでも成長が感じられた時の喜びは(非常に稀ですが(笑))形容しがたいです。
大枠を把握するための努力は、私の成長の鍵です。常に目標に向かって前進し、言語の細部にまで気を配りながら、的確なコミュニケーションを実現することを追求しています。このようなチャレンジングな課題に取り組むことで、私は自己成長と専門性の向上を実感しています。
Q4. 翻訳や通訳の業界において、将来的なトレンドや変化について予測されることはありますか?将来に向けて準備していることや注目している分野はありますか?
この先ホスピタリティの分野における通訳は残っていくだろうと思われます。また、コロナ渦になって、世界中でリモート通訳の需要が急増したことは良く知られていると思います。リモートだと、現地通訳と比べ、非常に低いコストで、短時間の会議設定で、移動する必要なく、世界と繋がることができる利点から、既にたくさんのグローバル企業が定例会議などで導入しており、セミナーやシンポジウムなどでも多く使用されております。コロナ渦では、マイナス面は甚大でしたが、リモート会議のリモート化は数少ないプラス面の一つだったのではないでしょうか?最初は慣れない事も多かったですが、今では、リモート通信環境、アプリやプラットフォーム等のツールでも、飛躍的な進歩があり、リモートに慣れてきた通訳者も多くなっております。すでに現地通訳案件数もコロナ禍前に戻りつつあると思いますが、リモート通訳も別ジャンルの通訳サービスとして今後も残ると思っております。
Q5. Ksの翻訳や通訳のクオリティについてご意見やフィードバックはありますか?
私の居住地が地方なので、以前は、頻繁に東京や大阪に出向いてお仕事をするということが難しい場合もありましたが、Ksは、いち早くリモート通訳環境の導入に取り組まれ、そのお仕事を私にもくださいました。リモートワークの導入は、私にとって大きな転機でした。物理的な距離を超えて、お客様と密接に協力しながら業務を遂行することができるようになりました。この新たな環境で、私は地方在住であることを制約ではなく、むしろ強みとして活かしていけることに喜びを感じています。私が地方に住んでいることをご存じの上で情熱をもって私たちのニーズ、よりよいクオリティを求めて働きやすい環境をいつも作ってくださいます。また、難しい案件の時にもしっかりとしたサポートをいただき、いつもポジティブな気持ちで通訳ができるよう、様々な側面から支えてくださいます。
最後にインターンの感想:
私(Writer)は初めて通訳の方とお話をする機会をいただきましたが、その時にMさん(通訳者)の情熱や向上心にとても惹かれました。彼女の姿勢はどんな状況下でも常に成長しようとする意欲に満ちており、いつまでたっても忘れてはいけない大切な価値観であることを再確認しました。
Mさんの情熱は、彼女の仕事への真摯な取り組みと強い意志から生まれています。彼女は通訳者としてのスキルを磨くために常にトライし、新しいチャレンジに挑戦し続けています。彼女の持つ向上心は、自己満足にとどまらず、クライアントに最高のサービスを提供するための努力として具体化されています。
また、Mさんの姿勢は時間や場所に制約されることなく、自己成長を追求する強い意志を示しています。彼女は自分自身を常に向上させるために、学びの機会を求め、新しい知識やスキルを積極的に取り入れています。彼女の努力とトライする姿勢は、私にとって大きな刺激となりました。
Mさんの情熱と向上心は、私にとってはまさに魅力的な特徴です。彼女の姿勢は、仕事において常に最高のパフォーマンスを追求することの重要性を教えてくれました。私は彼女の姿勢から多くを学び、自身の成長に繋げていきたいと思っています。
これからもMさんのような情熱と向上心を持って、常に自己成長を追求していき、どんな状況でも諦めずに取り組んでいきたいと思います。彼女の姿勢は私にとっての良きモデルであり、彼女とのお話しは私にとって非常に貴重な経験となりました。
By インターンK