日中英の3言語対応・400名規模・ハイブリッド開催というフォーラムで、各言語ペアに通訳者2名ずつ・防音ブース2台・受信機300台を構成。なぜこの体制を選んだのかを解説します。
アジア各国から医療機器業界の専門家・規制当局・メーカーが集まる国際フォーラムが大阪で開催されました。会場参加250名・オンライン参加150名のハイブリッド形式で、日本語・英語・中国語の3言語でリアルタイム通訳を提供。K'sは通訳者チーム・防音ブース設営・クラウド配信連携を含むフルサポートを担当しました。3言語フォーラムの通訳設計でどう判断したかを、発注者向けのノウハウとともに解説します。
案件の背景:3言語が必要な理由
アジアの医療機器業界は、日本・中国・東南アジアが複雑に絡み合う構造を持っています。本フォーラムの参加者は、日本語話者・英語を主言語とする国際参加者・中国語話者という3グループに分かれており、どのグループも「理解できない言語で話されている時間」が発生すると参加の意義が半減します。
3言語対応は「対応できれば望ましい」ではなく、「どの参加者にも同等の体験を」という主催者の強い意向から必須とされていました。

通訳者2名ペア体制を選んだ理由
今回は日英・日中それぞれのペアに通訳者2名ずつ、合計4名の同時通訳者を配置しました。なぜ各ペアに2名が必要なのかは、同時通訳の疲労特性に関わる問題です。
発注者が知っておくべきこと:同時通訳に2名必要な理由
同時通訳は「聴く・理解する・訳す・話す」を同時並行で行う高負荷の作業です。集中力の限界は一般的に15〜20分とされており、それ以上続けると訳出精度が著しく低下します。国際標準では、同時通訳は2名1組での交代制が基本です。1名で対応しようとした場合、コスト削減になる一方、品質リスクが大きく跳ね上がります。半日以上の会議で1名体制は推奨できません。
防音通訳ブース2台の設計:なぜ防音が必要か
今回は日英ペアと日中ペアのために防音通訳ブースを2台設置しました。通訳ブースの防音性は、通訳品質に直結する重要な要素です。
- 会場内の音(スピーカー・空調・客席の会話)がブース内に漏れ込むと、通訳者の聴解精度が下がる
- 逆にブース内の通訳音声が会場に漏れると、参加者の集中を乱す
- 2つのペアが同じブース内で作業すると、互いの音声が干渉する恐れがある
これらのリスクを回避するため、2台の独立した防音ブースを選択しました。機材コストは上がりますが、400名規模のフォーラムでブースなし・遮音なしの体制を取ることは品質面で大きなリスクを伴います。

ハイブリッド配信への3言語統合:技術的な挑戦
会場参加者向けには受信機300台で各言語チャンネルを配信し、オンライン参加者にはZoomの通訳チャンネル機能で各言語を選択できる設計にしました。3言語を同時に配信プラットフォームに統合するには、各ブースの音声出力を個別に制御できる音声ルーティング設計が必要です。
K'sの技術チームは映像制作会社・AVベンダーと事前に技術調整を実施。ライブQ&Aのセッションでは司会者との事前連携も行い、言語切り替えのタイミングが滑らかになるよう進行設計を行いました。
3言語ハイブリッド配信を依頼する際のポイント
複数言語のハイブリッド配信は、通訳会社・映像制作会社・AVベンダーの3者が連携する必要があります。それぞれを個別に発注すると、技術的な整合性の確保が難しくなります。通訳会社に「配信への音声統合も含めてコーディネートしてほしい」と伝えることで、調整ロスを大幅に削減できます。
「専門性の高い内容にも関わらず、通訳者の皆さんは自信を持って対応してくれました。多言語対応により、真にグローバルなフォーラムとなりました。」 — 運営委員会 事務局
案件概要
| クライアント | 医療機器関連団体(社名非公開) |
|---|---|
| 会場・形式 | 大阪市内コンベンション会場(ハイブリッド) |
| 開催日 | 2025年4月 |
| 参加者 | 400名(会場250名 / オンライン150名) |
| 対応言語 | 日本語 ⇔ 英語 ⇔ 中国語(3言語) |
| 通訳者 | 日英ペア2名+日中ペア2名(計4名) |
| 機材 | 防音通訳ブース2台・デジタル受信機300台・Zoom言語チャンネル統合 |
多言語・ハイブリッドフォーラムのご依頼はK'sインターナショナルへ
3言語対応・通訳ブース・ハイブリッド配信統合をフルサポート。
医療・製薬・規制分野の実績があります。

