2025年4月13日、ついに大阪・夢洲で大阪・関西万博が開幕します!日本での開催は55年ぶりとなり、国内外から大きな注目を集めています。弊社は本社が大阪ということもあり、地元がこのような形で世界から注目され、活気づくことを大変嬉しく感じております。今回は約2,800万人の来場が見込まれており、そのうち外国人来場者は350万人以上と予想されています。まさに多言語・多文化対応が求められる国際イベントです。国際色豊かなこのイベントで、「言語サポート」は言うまでもなく非常に重要な鍵となりますが、通訳・翻訳の技術は1970年の大阪万博からどれほど進化したのでしょうか?
1. 1970年の大阪万博では、どのような通訳・翻訳システムが使われていたのか
1970年に開催された日本初の万博「日本万国博覧会」では、当時の技術水準において最先端の通訳・翻訳体制が整えられていました。通訳は主に逐次通訳が中心であり、公式会議や特定のパビリオンでは同時通訳も導入されました。ですが、同時通訳機器の普及率はまだ低く、規模も限られていたため、現場での柔軟な対応が求められました。
会場内では英語・フランス語・中国語といった主要言語に対応するため、案内係やボランティアの語学スタッフが対応し、展示物の説明やパンフレットなどの翻訳資料も人の手で作成されていました。機械的な翻訳手段が存在しなかったため、翻訳の質や一貫性は、翻訳者個々の力量に大きく依存していた時代であり、限られた技術と人材を最大限に活用しながら多言語対応が行われました。
2.2025年大阪万博での最新の通訳・翻訳システムについて
2025年の大阪・関西万博では、ICT技術とAI翻訳の進化により、まったく新しいかたちの言語サポートが導入されています。会場ではスマートフォンやタブレットを通じたリアルタイム音声翻訳アプリの利用が可能で、外国人来場者も自国の言語でスムーズに情報を得ることができます。
加えて、ARグラスやウェアラブルデバイスによって、目の前にリアルタイムで字幕や翻訳テキストが表示されるようなサービスも登場します。案内板や展示モニターには多言語対応のデジタルサイネージが導入され、来場者は言語の壁をほとんど感じることなく館内を見て回ることができます。
AIによる自動翻訳は年々精度が上がっており、日常会話や基本的な案内であれば実用可能な水準に達しています。一方で、重要な交渉や文化的背景の深いやりとりには、引き続き人による通訳が配置され、機械と人間の協業による「ハイブリッド運用」が主流となっています。
3.通訳・翻訳の未来と、国際イベントにおける人の役割とは
2025年の大阪万博では、最新のテクノロジーを駆使し、1970年当時には想像もできなかった形で、言葉の壁を越えて多国籍の人々が交流できる空間が実現します。そうした中で、よく話題にあがるのが「もう人の手による通訳や翻訳は必要ないのでは?」という疑問です。私たち通訳・翻訳業界にとっても、これは非常に考えさせられるテーマですが、それでも人の手による言語サポートの重要性は今も変わらないと感じています。特に、多くの人が集まる国際イベントの現場では、文化的な背景や相手の感情、話の文脈を汲み取りながら、その場にふさわしい言葉を選ぶといった、人にしかできない繊細な対応が求められる場面が少なくありません。実際、言葉の選び方ひとつで印象が大きく変わることもあり、誤解やすれ違いを防ぐためには、専門的な知識と経験に基づいた判断力が不可欠です。
さらに今では、通訳者・翻訳者自身も最新技術を活用し、事前準備や情報収集のスピード・精度を大きく向上させています。「AIか人か」という二者択一ではなく、テクノロジーが進化するほど、人にしかできない役割の価値がより際立ってくる――。それが、これからの通訳・翻訳における大きな方向性であり、今後ますます重要になる視点だと言えるでしょう。
4.まとめ
1970年の大阪万博では、通訳・翻訳の多くが人の力に支えられ、日本の国際化に大きく貢献しました。そして2025年、技術革新とグローバル化の進展により、通訳・翻訳はより身近で、かつ多機能なものへと大きく進化しています。
とはいえ、「伝える」という本質は変わることなく、今もなお、人の力がその中心にあります。弊社では、こうした時代の変化に柔軟に対応しながら、国際イベント、ビジネス交渉、医療現場など、さまざまなシーンで高品質な通訳・翻訳サービスを提供しております。大阪万博に関わる通訳も、もちろん対応可能ですので、お気軽にご連絡ください。皆さまからのお問い合わせを心よりお待ちしております。