インドネシア保健省とJICA共催、150名超が参加した医療セミナー。専門通訳者の選定基準・受信機100台の機材設計・限られた準備期間での段取りを解説します。
インドネシア共和国保健省とJICAが共催した「インドネシア・日本ヘルスビジネスフォーラム」は、グローバルヘルス・レジリエンス(健康危機への対応力)における国際協力を促進するための場でした。150名超の医療・公衆衛生・製薬・医療技術関係者が参加した本フォーラムで、K'sは同時通訳と受信機100台超の機材を一括提供しました。政府間の専門的対話を成立させるために何を重視したのか、通訳設計と機材選定の判断を解説します。
案件の背景:政府間の専門的医療対話
本フォーラムは、インドネシア保健省とJICAが主導する形で開催されました。日本側からは医療技術・製薬・公衆衛生の専門家、インドネシア側からは保健当局や医療産業関係者が参加し、双方の経験・知識・政策を共有する場でした。
政府間の対話に通訳が入る場合、通訳者には高い専門性と同時に「中立性」が求められます。どちらの側にも偏ることなく、双方の意図を正確に伝える通訳者でなければなりません。政府間・ハイレベル会議における通訳設計の詳細はこちら。

通訳者の選定:公衆衛生×医療政策の専門性
今回のフォーラムで通訳者に求めた専門知識は、「公衆衛生・医療政策・感染症対策」という分野でした。医療通訳一般ではなく、政府の保健政策・国際保健規則(IHR)・サプライチェーン・医薬品規制といった、ハイレベルな政策対話で使われる語彙に精通していることが必須条件でした。
発注者が知っておくべきこと:医療通訳者の選定で確認すべきこと
- 「医療通訳」は幅広い。「臨床・患者対応」と「医療政策・規制・産業」は必要な知識が大きく異なる
- 依頼時に「政府関係者が参加する政策的な会議」か「臨床・患者向けの会議」かを明示する
- 用語調整ミーティングの実施可否を確認する。事前に保健当局と用語を確認することで訳語の統一ができる
- 基調講演・パネル・Q&Aの全セッションに通訳が必要か、一部のみかを事前に整理して伝える
事前の用語調整ミーティング
今回の案件では、開催前に保健当局との用語調整ミーティングを実施しました。インドネシアの医療行政固有の用語(機関名・政策名・省略語)は、一般的な英日辞典には載っていないケースが多くあります。事前に担当者から直接確認することで、当日の訳出精度が大きく向上しました。
受信機100台超:なぜこの規模の機材が必要だったのか
150名超の参加者に対し、受信機100台以上を用意しました。全員分を用意しない理由は、同行者・スタッフ・運営側の人数を除くと実際に通訳音声を必要とする参加者数を見積もった結果です。ただし余裕をもって100台を確保することで、追加ニーズにも対応できる体制を取りました。
受信機の台数設計:適切な数の決め方
「参加者全員分の受信機が必要」とは限りません。日本語話者のみ受信機が必要な場合、英語を母語とする参加者には不要です。参加者の言語構成を事前に確認し、必要な台数を逆算することで、機材コストを最適化できます。K'sでは依頼時に「日本語参加者は何名程度か」をヒアリングした上で台数を提案しています。

技術スタッフの常駐:機材トラブルへの備え
受信機100台超の規模になると、当日に電池切れ・接続不良・チャンネル混線などのトラブルが一定確率で発生します。K'sでは技術スタッフを会場に常駐させ、機材の運用・トラブル対応・終了後の受信機回収までを担当しました。
「機材を置いて終わり」ではなく、当日を通じた運用サポートがあることで、主催者は通訳と会議の進行だけに集中できます。これが「機材だけの手配」と「K'sへのパッケージ依頼」の最大の違いです。
「通訳・機材ともに非常にプロフェッショナルで、日・インドネシア間の円滑な対話に大きく貢献していただきました。」 — インドネシア共和国保健省 担当者
案件概要
| クライアント | インドネシア共和国保健省(主催)+ JICA(共催) |
|---|---|
| 会場 | グランドプリンスホテル大阪ベイ |
| 開催日 | 2025年6月24日 |
| 参加者 | 医療関係者・ビジネス関係者 150名以上 |
| 対応言語 | 日本語 ⇔ 英語(同時通訳) |
| 機材 | ポータブル通訳ブース・デジタル受信機100台以上・技術スタッフ常駐 |
医療・公衆衛生分野の国際セミナーはK'sインターナショナルへ
専門通訳者の選定から機材・スタッフ常駐まで一括対応。
政府間・国際機関案件の実績もあります。

